業務を効率化したいという相談をいただくとき、最初に聞かれるのが「どのツールを入れればいいですか」という質問です。ただ、経験上、ツールから入ると失敗しやすいと感じています。順番が逆で、先に決めるべきは「どの作業を消すか」です。
判断に使っている視点を3つ紹介します。
1. 毎回おなじ手順か
毎回まったく同じ手順でこなしている作業は、置き換えられる可能性が高いものです。月次の集計、決まった書式への転記、定型の連絡。逆に、その都度こちらの判断が必要な作業は、無理に自動化すると確認の手間が増えて、かえって遅くなります。
2. 手を動かす時間の割に、判断が要らないか
時間はかかるのに、頭はほとんど使っていない作業。ここが一番効きます。データを別の表に写す、一覧から条件に合うものを拾い出す、文章の体裁を整える。こうした作業は、人がやめても品質が落ちにくい領域です。
3. 担当者が休むと止まるか
その人しか手順を知らない作業は、効率の問題である前にリスクです。仕組みに置き換える過程で手順が言語化されるので、結果として引き継げる状態になります。
まず1つだけ選ぶ
3つの視点で洗い出すと、たいてい候補がいくつも出てきます。それを全部やろうとすると止まってしまうので、最初は1つに絞ることをおすすめしています。小さくても「人がやらなくて済んだ」という結果が出ると、次に進みやすくなります。
どこから手をつけるか迷っている段階でも構いません。現状を伺えば、消せそうな作業を一緒に探します。